生きる理由

もし明日死ぬのなら

家族に、母に、

「今までありがとう。大好きだよ。」

と伝えたい。

伝えることができたら、何も思い残すことはない。

 

子どもを産むまではそう思っていた。

 

反抗期が長く、30を過ぎても未だに素直になれない私。

面と向かって感謝の気持ちを伝えたことはあっただろうか。

 

人生で達成したいこととか、夢とか、

大した目標なく日々を過ごしている。

もしここで命が尽きても、特別困ることはない。

でも、結婚して家を出てから膨れ上がった母への感謝は伝えたい。

それは伝えなきゃ後悔する。

そう思っていた。

 

子どもを産むまでは。

 

1歳半の我が子。

私がいなくなったら大丈夫なのだろうか。

事情があってそうなってしまったご家庭もあるだろう。

でも私はできれば

この子を育てたい。守りたい。

独り立ちするまで、そばにいたい。

 

生きる理由があった。

 

「守りたいもの」は人それぞれだと思うが、

娘の存在が私に生きる理由をくれた。