生まれてからずっと

10年前、大好きだったおばあちゃんが亡くなった。

毎日泣いた。

今でも思い出したら泣けてくる。

それくらい大好きなおばあちゃん。

癌で入院してから、できるだけお見舞いに行った。

亡くなる前日も会いに行けた。

でも不思議と、、その日のおばあちゃんの姿は思い出せない。

おばあちゃんがいない世界なんて考えられなかった。

中学生頃からは盆と正月しか会っていなかったけど、

小学生まではちょこちょこ泊まりに行った。

 

よく食べに行ったレストランはもう無くなっている。

チキンドリアがお気に入りだった。

よく行った玩具屋さんの名前はなんだっけ。

いつもわくわくしてお店に入った。

おばあちゃんのかやくご飯はヒジキ入り。

プラレールで弟とよく遊んだ。

おばあちゃんの「はいはい↑」という優しい返事。

いつの間にか私は娘に同じ返事の仕方をしている。

や、おばあちゃんの方がずっと優しい声だったけど。

 

そんな大好きなおばあちゃん。

いつでも思い出すだけで泣いてしまうけど、

不思議と、おばあちゃんがいない世界が当たり前になり、

思い出の中の大切な人となった。

 

今、私を時々襲う大きな不安。

結婚して離れて暮らすようになったとはいえ、私は母のいない世界に住んだことがない。

ちょっと変わった考え方で、今でも帰省するとよく喧嘩する。

でも、かけがえのない大切な私のお母さん。

「元気でいてくれるだけで」というのをすごく思う。

昔は「家出してやる!」と思ったこともあった。

でも今は「こんなに依存してたっけ?」と思うほど、母が大切だ。

今でも喧嘩はするし、面と向かって言えないけれど…。

 

娘のことももちろん大切だ。

でも、母とはいい事も悪い事も、とにかく思い出が多すぎる。

大好き。長生きしてね。

…って、直接言えたらいいなぁ。。